養鶏場の仕事(大変な仕事に感服)

以前、購入していただいた焼却炉の修理に、昨日、群馬県榛名湖の近くの養鶏場にお伺いした。高速を利用し片道2時間かかる。自宅(川越)にエアコンを付けさせていただいた折に、弊社で焼却炉の取り扱いがある為、無煙焼却炉を購入していただいたのである。父親が興した養鶏場を長男である社長さんが、当時は(長男が継ぐのは当たり前、そのような時代だったんでしょう)当然のように受け継いだ。地元の農業高校を卒業して、すぐ親の養鶏場を手伝うようになったとのこと。現在、大きな養鶏場を茨城県と群馬県に2箇所持ち、1週間の半分は自家用車を運転し、片道2時間(往復4時間)かけて通っているそうだ。そんな生活を30年以上も続けている。年齢は多分もう75才は超えていると思うが、その精神、根性というか努力・・・
上手く言えないが感服してやまない。
朝起きて、体調が悪い時、又、気の進まない時が数々あったろうと思うが、生き物を扱う商売、本当に大変だと思う。息子さんもいらっしゃるようだが、跡を継いでいる様子は無いので(一度、聞いてみようと思ったが何故か聞けなかった)本当は手伝ってもらいたかったのではないか、又、自分で大変さは十二分にも承知されているので、敢えて辛い思いをさせない為に、自分の代で終わりにしようと思っているのかもしれない。
あくまで私の想像の余地でしかないが・・・・。
養鶏場の社長様のご苦労を想うに、ある詩が思い浮かんだ。宮沢賢治の一句である。
「雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだを持ち 欲は無く 決して瞋からず いつも静かに笑っている 一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ あらゆる事を自分を勘定に入れずに 良く見聞きし判り そして忘れず 野原の松の林の影の 小さな萱葺きの小屋に居て 東に病気の子供あれば行って看病してやり 西に疲れた母あれば行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば行って怖がらなくても良いと言い 北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろと言い 日照りのときは涙を流し 寒さの夏はオロオロ歩き 皆にでくの坊と呼ばれ 誉められもせず苦にもされず そういう者に 私はなりたい」
もともと動物好きで、優しい性格で、今でも捨てられている子犬などを見ると拾ってきて、自分が面倒を見るからと言って、初めのうちはよく面倒を見ているが、忙しい社長様のこと、最後まで見られるはずもなく、養鶏農家に嫁にきたはずなのに、子犬の面倒まで見せられて、もう私達も高齢なのに、まったくしょうがないと笑いながら奥様が話をしてくれました。何かこのような事柄が社長様の人柄を、物語っているような気がします。商売抜きに、鶏(生き物)に対する愛情そのものが、成し得るとこなのだと思い感動しました。それにしても昔の人と言っては怒られてしまうが、本当に大したものだと思う。
自分も僅かながらも見習いたいものだと思う。