奥尻島の民宿での体験

小生は、人より食べ物の好き嫌いが多い。食べず嫌いの気もあるが、特に人から見ると、高級食材のカニ・ウニ・アワビ・エビが食べられず、安上がりに出来ている。
高級旅館やホテルが、とっておきの食材で懐石料理を考えて、時間をかけ出してくれるが、ほとんど手をつけれない。まったく張り合いの無い人間である。
昔は旅館に着いて、夕食の時間になると、よく外に出かけてラーメンやお好み焼きなど、妻を引き連れて食べに行ったものだ。
どんな豪華な料理よりも、出来立てほやほやの温かいご飯と、フーフー言いながら飲む、中に具材の入っていない味噌汁がご馳走なのだ。
簡単のようで旅先では、これが案外難しい。多くのお客様がいる場合、逆にこれが出来ないのである。
昔、北海道の奥尻島の民宿に泊まった時、そこは一日三組しか受けない所で、お風呂は、民宿の家族の人と同じ家庭用の風呂に入る。離島の宿なので、海の幸が自慢なのだが、小生は、その食材が食べられない。踏ん張って出していただいた、普通であれば高価なウニなどを、手つかずに残してしまうのは失礼なので、「私はウニが苦手なんです」と申告すると、珍しいですね、と言われたが、快く応じてくれた。代わりに出てきた料理は、海でとれた魚、熱々のご飯に味噌汁、「これこれ!これが何よりのご馳走です」と言って食べたことを思い出す。
民宿の家族の人と同じ、ごく一般の風呂を、3組の宿泊客が、決められた時間に順番に入り(確か、ひと家族40分位の間隔)その後、民宿の家族の人が入ることが、始めは、こんなのありかな~と思ったが、逆に何か新鮮に感じられ、このような離島の民宿でないと、なかなか体験できないのではないかと、返ってこんなのもありだなぁ~と感じた。 つづく